« やっと地上派で | トップページ | レイジ幕張2・9 »

2008/02/10

花のあとさきを観た

正直なところ,見ていてつらくて切なくてしょうがなかった。人間はだれでも年をとって弱って順番に亡くなっていく。しょうがないことだけど。

それにしても百瀬カメラマンは,13年前も前,平成6年から取材していたんだなあ。
百瀬カメラマンとムツさん,幸一さんとの,まるで祖母祖父と孫とのやりとりのような会話が温かかった。

夫の公一さんの言葉。
「荒らしておいたっていいけんど,いくらか花でも植えりゃ,みんなが見てきれいだから。たまには登ってくる人がいるんだよ。自動車から降りて,それで眺めたりなんかするから,きれいにしておいてやろうと思って。」
美しいなあ。

自分が丹精した,すわのくぼの畑をイノシシに壊されてもムツさんは言う。
「メメンタロー(ミミズ)がいるかなーと思ってくるんだろうけど,かわいそうに。いやしないんだよ」
(イノシシのほうがかわいそう?)
「かわいそうだ」
(ムツさんは?)
「自分達が,炭を焼いて,実のなるものを全部売っちゃったわけ。そのあとみんな杉を植えたから,杉じゃあ動物の食べる実がならない。だから,ひだるい(腹が減ってしょうがない)わけだ。それで人里に下りてくる。餌がないから。餌を人間が絶やしちゃった」


「人間にとって重要なのは,自分が何の一部かを理解することです。」
スペースシャトルの元宇宙飛行士が先日のNHKスペシャルで言っていたのを思い出した。
でも,宇宙に行かなくても,そんなことを言葉に発しなくても,同じことを理解している人達は,ムツさんのように沢山いるんだと思う。


79歳,正直に農業をつづける新井武さん
残り6人になっても互いをかばいあいながら,楢尾集落の行事を守る人達。結びつき。
そして前回と同様,ムツさんの言葉
「花って香りがそれぞれ違うし,色も違うし,みんな器量いっぱいに咲いてくれるから,かわいいよー。」
「自然と時季を教えてくれるからかわいいよ。楽しみだ。」
「草木もやっと生きてるんだ。花木だって生きようと思って本気だ。」
素敵な人だなあ。

ムツさんが早く病気が治って元気になるといい。自分の家族も健康で長生きして欲しい。ただそれだけだ。

|

« やっと地上派で | トップページ | レイジ幕張2・9 »

コメント

そういえば先の放送を見た兄が「見たよ」としか語りませんでした。楽しみに待っているわたしにムツさんが倒れてしまわれたことを言いたくなかったのだと気が付きました。しんとした気持ちでビデオテープの爪を折りました。思い出すたびに「お元気になられるように」と祈ります。
ご自身の覚え書きのためのブログでしょうからわたしのコメントは読んで頂いたあとに削除して下されば、と思います。何十年ぶりかで夏草冬濤を読みました。三部作すべて読み返してみようと思っています。思い出させて下さり有り難う。

投稿: ひで | 2008/02/14 23:01

ひでさん,コメントありがとうございます。

夏草冬濤だったか,あるいは北の海だったかもしれません,帰郷した主人公の洪作が,おぬい婆さんのお墓の掃除に行ったときに,クメさんというおじいさんと会話を交わす場面。夏の顔とか春の顔とか,そんな話をする場面。ムツさんの前回の「花物語」の番組を観ているときに自分はなぜかそんな場面を思い出してました。井上靖いいですよね。特になんといってもあの三部作は。井上靖についてコメントをもらえてうれしいなあ。もったいなくて削除できないので残させてください。

投稿: nbb | 2008/02/15 21:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« やっと地上派で | トップページ | レイジ幕張2・9 »